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自動車バッテリー凍結を防ぐ3つの方法|破損原因と比重の関係をメーカーが解説

バッテリー凍結のリスクとは〜事業への影響

自動車バッテリー内の液体が凍結すると、エンジンがかからなくなったり(バッテリー上がり)、バッテリー自体が破損したりするおそれがあります。図のように、バッテリー液に含まれる水分が凍結することによって、体積が膨張することで電槽(バッテリーの容器部分)が割れてしまうのです。
自家用車でも必要なときに運転できなくなるリスクがあることはもちろん、業務車両を抱える事業所などで自動車バッテリーが凍結すると、業務が滞ってしまいます。また配送や送迎など、車両を運転することで成立している業種は、事業に直結するリスクとなるため、バッテリー凍結を避けなければなりません。

ひび割れた自動車バッテリーの電槽
電槽を使った実験

バッテリー凍結防止のカギは『充電』!

凍結はなぜ起きてしまうのか。その原因には充電状態(硫酸比重)と気温が大きく関係しています。
バッテリー液(電解液)である硫酸は、同じ温度下に置かれた際、満充電に近い状態の時ほど凍りにくく、過放電になるほど凍りやすい性質を持っています。

過放電の際には0℃付近で凍結します。水が凍る温度と近く、過放電になっている時は水道管が凍結してしまうのと同じ程度の気温条件で凍結してしまいます。一方で、満充電の状態だと、凍結する温度はマイナス70℃前後と、放電状態に比べてはるかに凍結しにくいです。
このことから、凍結を防ぐためには、放電したまま放置せず『満充電に近い状態をキープすること』が大切だとわかります。自宅などの水道管の凍結を心配するタイミングがあったら、同時に『バッテリーが満充電に近い状態か』もぜひ思い出してください。

バッテリー凍結を防ぐ3つの具体的な対策

では、自動車バッテリーを『満充電に近い状態』にキープするにはどうしたらよいのでしょうか。
次の3つのことをぜひ意識してください。

①定期的な充電

自動車を長期間使用しない場合や、短距離走行にしか使用しない場合にも、充電のため定期的に自動車を走らせてください。(1週間に1回 30分以上が目安)また、充電器の活用もおすすめします。

②比重の点検

市販の自動車バッテリー用の比重計で比重を測定してください。比重1.240(20℃)以下が充電する目安です。また、バッテリー自体にインジケーターがついている場合は、簡易的にバッテリーの充電状態を確認することができます。
充電状態を確認するため、バッテリーテスターを使った測定も状態確認を行うのに有効です。

インジケータ付バッテリーの表示例
バッテリーテスター(電圧測定)

③長期駐車時の対策

駐車場などから長期間車を動かさない時は、バッテリー端子(マイナス)より配線を外しておくことをおすすめします。(暗電流対策)また、配線を外していても自己放電により電解液の比重が低下するため、月に1回以上の点検をおすすめします。比重が1.240(20℃)以下になっていたら、充電してください。

①~③までの対策をしていても、寒い日にバッテリーが放電状態になってしまったら、電槽点検を行うことも忘れないでください!
もし凍結した電解液をそのままにし、電槽が破損してしまうと割れた箇所から電解液が漏れ、電解液中の硫酸成分により車両の腐食を発生させるリスクがあります。
バッテリー液の凍結による電槽の破損を発見したら、直ぐにバッテリーを交換しましょう。

(※)メモリー機能のある電子機器が装備されている車両はバッテリーを取り外すとメモリーが消えることもあるため、車両の都営扱い説明書に従う、または車両販売店に相談ください。

まとめ

自動車バッテリー凍結の要因として、『バッテリーの過放電』があること、それを防ぐためには日々の充電管理が重要であることを解説しました。特に業務用車両を多く抱える事業所などでは、定期的な点検を徹底することで、冬季の安定稼働ができるといえます。
また、満充電の状態をキープするために、充電受入性に優れたバッテリーを選ぶことも重要です。
エナジーウィズでは、「Tuflong PREMIUM PLUS(乗用車)」「Tuflong HG-IS PLUS(業務車)」といった充電受入性に優れたシリーズを取り揃えています。

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